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日本の森を守る 見山謙一郎のコラム

第33回 SDGs(持続可能な開発目標)について

SDGsと地方

昨年11月に経団連がSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向け、企業行動憲章を改定しました。今年に入ってから、TVや新聞等のマスメディアでもSDGs関連のニュースや記事が取り上げられることが増え、気になっている方も多いと思います。そもそもSDGsとは2015年9月に国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さないことを誓っています。SDGsの前身であり、2001年に国連で策定された「ミレニアム開発目標(MDGs)」が、貧困や飢餓の問題など開発途上国向けの開発目標であったことから、これまで地方銀行の業務領域でMDGsが議論される機会はなかったと思います。しかし、SDGsは先進国を含む国際社会全体の開発目標であり、地方銀行も当事者として取り組むことが求められます。実際に、これまで海外展開を考えていなかった地方の企業がアジアやアフリカへの展開を検討するようになり、また地方の政策でもインバウンドが観光政策の柱になるなど、地方の企業も自治体も、海外を強く意識せざるを得なくなっています。企業の海外展開では、現地の労働環境、教育制度がどうなっているのかといった点や、企業活動が環境に負荷をかけていないかなどを検証することが求められ、またインバウンド政策においては宗教上留意すべき点は何なのか等、社会性や環境性、多様性を強く意識しなければなりません。こうした背景から、必然的に地方銀行もSDGsを意識する必要があるのです。

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SDGsと企業戦略

経団連が企業行動憲章を改定したことからもわかるように、SDGsは企業の経営戦略と直結したものであるはずです。しかしながら、現状ではCSRなど社会貢献活動の延長線上で取り上げられることも多く、必ずしも経営戦略に直結したものにはなっていないのも実情です。今年に入ってからSDGsをテーマに企業の方とお会いする機会も増えていますが、「SDGsの具体的な取り組みについては苦労している」というお話もよく伺います。現状では、事業領域から社会貢献活動に適しているものを部分的に選択しSDGsと繋げようとするか、もしくはCSR的な社会貢献活動をSDGsの活動として取り上げようとしているケースも少なくないように思います。しかし、これとは逆の発想で、SDGsの各項目から事業の新たな可能性を探索し、経営戦略に取り入れ、実際に試行錯誤しながら取り組むことで、結果的に事業にもSDGsにも寄与する、そんな好循環を生み出すことが出来ればいいなと思います。

SDGsと日本の森を守る地方銀行有志の会

日本の森を守る地方銀行有志の会に関連するSDGsの項目としては、木質バイオマスと繋がる「7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「13:気候変動に具体的な対策を」や、森の恵みに繋がる「15:陸の豊かさも守ろう」などが真っ先にイメージできます。また、そこから少し展開すると「森は海の恋人」ということで「14:海の豊かさを守ろう」にも繋げることが出来ると思います。これはこれで、とてもいい気づきなのですが、まだまだここで思考停止をせず、森林セラピーに繋がる「3:すべての人に健康と福祉を」や、林業再生に繋がる「8:働きがいも経済成長も」、更には林業とIoTの融合でイノベーションへと繋がる「9:産業と技術革新の基盤をつくろう」などへとイメージを展開していけば、本会の活動の更なる可能性に気づき、実際に活動に取り組む中で、その可能性を広げていくことが出来ると思います。そして、本会でのこうした議論や取り組みから、結果として各参加行にとっても、SDGsを経営戦略に関連づけるヒントが見つかるはずです。こうしたことから、是非、経営企画部門の方にも本会の活動に積極的に参加していただければと思うのです。

以 上

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