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日本の森を守る 見山謙一郎のコラム

第41回 日本の森を守る地方銀行有志の会×SDGs(5)
~時代の変わり目だからこそ、若手銀行員参加への期待

巷は「平成最後の」という枕詞で溢れていますが、平成2年に住友銀行(現三井住友銀行)に入行した私にとっては、平成は社会人としての歴史そのものです。私は平成17年10月に退職するまで約15年半銀行に勤務し、その後、別の道に進んだわけですが、あらためて振り返ると、平成の時代は銀行を内側と外側から、ほぼ同じ期間見てきたことに気づき、現在の銀行を取り巻く環境の変化とそのスピードに、何とも言えぬ感慨を覚えます。

平成幕開け当時の若手銀行員の姿

私が銀行に入行した平成2年は、まさに平成の幕開け期で、バブル経済の最中でもあったことから、社会人生活はまさに前途洋々に思えました。しかしながら、入行から1年も経たずしてバブル経済が崩壊し、失われた20年と言われる低成長時代に入っていくことになります。当時、入行間もない私にとっては、刻々と変わる営業方針に翻弄され、多少なりとも無理難題の類であっても、それを必死に受け止めようとしていたことを思い出します。そして、バブルの傷跡を肌で実感したのは、最初の転勤先で不良債権処理を担当した時でした。当時は、入行してまだ4年を過ぎたばかりでしたが、債務延滞企業との交渉や弁護士との折衝等、経済活動の負の側面を現場の第一線で体験出来たことは、その後の社会人生活にとっても大きな学びに繋がりました。今、思えば、入行して4年を過ぎたばかりの若造に、このような大役を任せてくれたことを本当に有り難く思います。平成幕開け期は、私に限らず、採用数が圧倒的に多かったバブル入行組は、経験不問、促成栽培でどんどん現場の第一線に送り出され、自らが一次情報を蓄積することで、仕事を肌で学んでいました。時代の大きな変わり目や、バブル崩壊などの緊急事態発生時だからこそ、若手にも平等にチャンスが与えられたのだと、今になって思います。平成が終わりを迎えようとしている今、若手銀行員がどのような仕事を任され、それをどのように感じているのか、とても興味があります。


時代の変わり目で身に着く“変事対応能力”

その後、私は本店営業部を最後に、平成17年10月に銀行を退職するのですが、その翌年の9月にリーマン・ショックが起こり、再び世界規模の金融危機に見舞われます。当時の私は、既に銀行の外にいましたので、銀行内部でどのようなことがあったかを伺い知ることは出来ませんが、入行以来、目まぐるしく変わる経済状況に翻弄されながら、業務に邁進してきたバブル入行同期は、おそらく持ち前の“変事対応能力”を発揮したのではないかと思います。実際に私自身も、周辺環境が目まぐるしく変わる中で何とかやってこれたのは、踏襲出来る前例がなく、頭で考える前に行動するしかなかった銀行時代の経験から培われたものだと思います。


「SDGs×地方銀行」を再定義する

平成最後の年を迎える今、様々な業態からの銀行業への参入やFinTechなど、銀行を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化し、競争環境は厳しさを増しています。「ポスト平成の銀行はどうなるのか?」、そして「どうあるべきなのか?」、更には「どうありたいのか?」それを実際に担うのは、平成幕開けのバブル期に入行し、経済環境や時代の変化に翻弄されてきた、当時の私の世代のような今の若手銀行員です。本会で今年度のテーマになっている「SDGsの研究」を再定義すると、「ポスト平成の地方銀行の研究」そのものだと思います。このような時代の変わり目だからこそ、本会の活動に、是非、若手銀行員を巻き込み、次世代の地方銀行の姿をともに議論し、大きな変化を起こしてみたいと思うのです。

以 上

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